2016年5月5日(木) № 63 『 ストーブさん 長年お世話になりました 』

何だかとてもハンサムに見える大型石油ストーブさんです。下のミニ写真館の方も是非clickしてあげて下さい。ビックリの燃え盛りが見えます。
何だかとてもハンサムに見える大型石油ストーブさんです。下のミニ写真館の方も是非clickしてあげて下さい。ビックリの燃え盛りが見えます。

旭東教会の礼拝堂に毎年11月のおわり頃、壮年会のメンバーによる礼拝堂のワックス掛けを含む大掃除が行われる時に姿を現し、5月か6月の大掃除の頃に姿を消して行くもの。

 

それが、TOPに置かれた写真でご紹介している大型石油ストーブです。

 

わたくし(牧師のもりでございます)が、旭東教会の前牧師の指方信平先生が週報に書かれたコラムでは「静かなる長老」と呼んで居られました。

 

まったくその言葉の通り、歴史ある旭東教会の会堂を、いつの頃からか温め続けて来てくれたストーブです。

 

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2015年の冬、着任して初めて自からこのストーブに点火しようとしましたとき、はて、一体、どのようにすれば良いのだろうか、とだいぶ戸惑いました。

 

よく似た型の石油ストーブを福岡市内の教会に仕えていた頃使っていましたので、右も左もわからない、というわけではありませんでした。

 

でも、どうやら、旭東教会のこの大型石油ストーブはもう少し年代物のようです。

 

福岡の教会のストーブは灯油タンクが別の所にあり、そこに注油すればよかったのですが、旭東教会のストーブは、本体と灯油タンクが一体型のものです。

 

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何年か前までは、礼拝堂の後部にもう一台が置かれていた、ということを教えて頂きましたが、そちらは既に隠退。

 

多少のことならば手作りで何でもやります、という熱いこころをお持ちの〈正さん〉も、「わたしにもお手上げです。修理しようにもできません」ということで、一線を退いたそうです。

 

そして、5月1日の日曜日、以下のような文書が教会の皆さんに配布されることになったのです。

 

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エアコン献金のお願い
                                                   日本キリスト教団 旭東教会
                                                                      役員会一同

 皆さまへ
 主のみ名を賛美いたします

 

 私たちは1923年・大正12年に献堂された歴史ある礼拝堂で、日曜日毎の礼拝を豊かに捧げることが出来る恵みに日頃から深く感謝するものです。

 

 さて、このたび私たちは、礼拝堂で長年使用して参りました大型石油ストーブおよび冷房専用エアコンの老朽化、壁掛け扇風機の廃棄に伴い、今後の冷暖房の機器として〈大型エアコン2台〉と〈天井のシーリングファン〉の設置を決断いたしました。夏は涼しく、冬も安全性が高まり、安心で暖かな環境を目ざします。

 

 工事費用の総額は90万円です。既存の会堂関係の預貯金に頼ることなく、今を生きる私たちの献身と感謝の祈りを込め、期間限定の献金によりこの取り組みを実施したいと願います。

 

 礼拝環境を整えることは、先達の労苦により、1903年・明治36年の教会創立の頃から綿々と続いて来たことであり、福音を次世代に委ねていく務めを担う私たちの使命です。

 

 それぞれの生活のご事情があることと存じますが、何とぞ、お祈りをもって、皆さまのご協力を心よりお願い申し上げます。

在主

 

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下にあります写真をご覧頂くとわかりますが、こちらのストーブ、相当な高温になることがわかります。

 

旧約聖書の預言書のひとつ、『ダニエル書』の3章に出てくる、燃えさかる炉が思い浮かぶ程です。

 

おそらく、短めに考えても50年、或いは、60年以上かも知れないですが、旭東教会の礼拝を支えて来てくれた功労者に違いありません。

 

幼い子どもが転んだら、という以上に、ご高齢の方が転んでストーブに手をついたら、と真面目に心配しなければならないのも本当の所です。

 

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夏の暑さを少しでも凌ぐために使われていた(下のミニ写真館にあります)壁掛け扇風機も、去年の秋の大掃除の時にスーッと姿を消して行きました。

 

一気にプラスチックの老化が進んだのか、女性陣がちょっとしたお手伝いをして下さったときに、「これ、もうだめです。パラパラ崩れます」状態になっていることが判明。誰も反対することなく「さよなら」をいたしました。

 

あれから半年。

 

大型石油ストーブだけでなく、夏だけ使用できる冷房専用エアコンも26年目に入り、この度の、エアコン工事によって撤去されることになります。

 

2016年の大掃除は5月29日(日)の礼拝後です。灯油が少し残っていましたので、子どもの日の夜、お掃除がスムースにいくように最後の点火をして、記念の写真を撮影しておきました。

 

おそらく、少し時間を掛けて調べれば、この1年の間にも、大型石油ストーブが旭東教会の礼拝堂の一部として写っている素敵な写真があることと思います。もし見つかったら、その時には、下のミニ写真館を増補しておきましょう。

 

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おしまいに、2015年2月1日の『週報』表ページのコラムに、指方信平牧師が記されたもののを抜粋してご紹介します。以前にもどこかで引用しましたが、このエッセイ、ほんとうに素晴らしい!です。

 

子どもの日が終わろうとする頃、夜の礼拝堂で、感謝のことばを伝えました。何か話しかけてくれたか? そんな気がいたしました。

 

旭東教会を愛し、黙々と仕え続けてくれた大切な方が、間もなく、姿を消します。end

 

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以下、指方信平先生のエッセイです。

 

静かなる長老

 

メラメラと燃えるような信仰、黙々(モクモク)と祈りを捧げつつ、いつも控えめに礼拝堂後方に席を取っている方がいます。ストーブ。毎年11月末、まるで「契約の箱」のように壮年たちによって大切に運び入れられ安置されます。

 

もう何十年にもわたって(私の存在以前から!)、冬から春先にかけて、私たちの礼拝を支えてくれる旭東教会の隠れた長老です。9年間(実働は4年半)一度も故障することがありませんでした。もしこのストーブがなかったら、と想像してみて下さい。

 

今や、ステンドグラスにその座を明け渡した感はありますが、それでも、「旭東教会といえばやっぱりコレ!」と言えるシンボルではないでしょうか。

 

いつしか私は、このストーブに友人のような親しみを抱くようになりました(いや、お年寄りを労わるような…か)「今日も、よろしくね~。お互いがんばりましょ~。」そんな気持ちで、日曜日の朝、ストーブの前にしゃがみこみ、じーっと給油します。

 

ボタンを押し続け「ボッ」と点火すると共に、私の心にも火が灯り、さぁ主の日が始まります。

 

※以上 引用おわりです。改行は森がいたしました。

 


礼拝を支え続けてくれたストーブのさいごの炎を記念に撮影しました。